そろそろ1歩下がって隠居かな。
今迄、課長の下でやりたいようにやってきた売場。
己が城だった。
若葉マークの主任が赴任して
ある日、やる気満々です、と私に言った。
確かに、以前、産休前にいた売場の時より
よく動き、頭も働く。
汗して細かいところも頑張ってる。
彼女なりに社員としてのプライドもあろう。
そして35歳前後の若さはなによりも
たくましく思える。
長年いるおばちゃんパートなんかにゃ
負けるわけにはいかない。
ベテランパートが4人も揃う中で上司にならなきゃいけない。
いや、社員である以上、若葉マークであっても
上に立たないといけないのだ。
そんな雰囲気が体から出てるのが私には見えてくる。
それは、とてもいいことだ。
その一生懸命さが、いつか必ず自分の糧になる。
前課長が言い残したことは
もう消えた。
その思惑は、去った者の言う事は過去である。
今は今、新課長のもと、店長指示もあるのだろう。
彼女は前課長からやらなくていいと言われていた他のグループの仕事もやり始めた。
大忙しである。
かつて事務所で無駄話していた姿はいずこ。
今は事務所にいる時間は少ない。
現場を走り回ってる。
彼女は緻密である。
他のメンバーにはどうかは分からないが
私には、1歩下がって話して来る。
そして、相談するように話す。
で、最終的な結果は自分が決める。
もちろん、社員なのだからそれでいい。
頭のいい子(人)だ・・
よくそう思う。
すいません、思ったほど品だしできませんでした。
これは、彼女が私によく言う。
いいんですよ。
他の仕事もあるのだから。
私はいつも、そう応える。
パートの私であっても彼女は私を売場の先輩として立ててくれる。
先日、課長と相談して年末掃除売場の話しをした。
だいたいの構想はできた。
だが、その話しは消えていた。
彼女が決めた棚割で決定したようだ。
今日、メーカーがその売場を作りにきた。
仲間がメーカーのいつも来てくれる人、悩んでたね、と言った。
図面を見ながら確かに悩んでた。
メーカーの人に、これからは主任と話しをして
仕事進めてください。
私はそう言った。
メーカーの人は、小さな声ではい、と頷くだけだった。
長く、この人と組んで仕事もしてきたが・・・
もう、私には話さなくてもいい、そう取れるニュアンスで
私は言った。メーカーの人とは互いに気さくに話せる仲だが、
これからは主任にさせなくては、そう思った。
10年近く任されていた仕事を一つ手放した気がした。
前課長が育ててやってくれ、その言葉。
それでいいのだ。
彼女が、伸びていく為には自分は彼女の裏側で聞かれたことだけ
答えればいい。
仲間が、させればいいんだよ。
させて、それがどんなに大変か、覚えさせないとだめだ。
パートの私たちが今まで何をしてきたか。
どんなに大変だったか、社員なら覚えなきゃ。
そう言った。
そうだね、その分、もう私は何かあっても責任が無い。
楽になれる。
1番年上の仲間は、やりにくい、自分の思うように
できないわ、主任さしおいて自分であれこれ、できなくなる。
そうブツブツ言っていた。
私は・・
内心、自分達より長くこの会社で生きていくのは彼女。
定年近くなってる人より長く働く彼女を
今、何でもやる気あるうちに覚えてもらわないとならない。
そう思っていた。
彼女もいつか・・
そう、いつか・・
必ず、トーンダウンする日が来る。
歳には勝てないのだ。
今ほど動けるはずもない時期が必ず来る。
自分達もそうだったもの。
私にはいいのだ。
時間は長くしてもらって働けるし
責任ある仕事はやってくれる人が現れ
今迄よりずっと気持ちが楽になる。
10年間の肩の荷が降りたと思える日でもあった。
☆○o。 。o○☆
課長は全くといっていいくらい、自分達を放置。
主任がいるからと思っているせいだろう。
で、何してるかっていえば・・
自分の得意分野の売場ばかりにいて後は事務所。
先日、課長との面談一人ずつあった。
20時まで働けますか?
売場のメンテナンスが僕できないから。
本当は帰りが遅い僕がしないといけないんだけど。
仲間たちも言われたそうだ。
また、1番年上の仲間がブツブツ言った。
ろくに仕事もしないのに、よく言うわ。
仕事らしいことしてるの余りみない。
ま、いいじゃない。
その方が気楽で。
うるさい課長にでも当たったら尚、面倒よ。
明るいし、元気だし。
仲間内から、そう言葉が出た。
☆○o。 。o○☆
どうやら、私はしばらく、できればこのままずっと
時間だけ今のまま働かせて貰えて責任ない仕事で
気楽に働けたらいい、やっとその時がきたかなって思っていた。
ただ、30代の頑張りすぎは40代にきてガクッと出る。
彼女がそうならないよう願うだけだ。
まだ3歳と1歳の子を抱え、これからその子らを
社会人にさせるまで親としても頑張らねばならない。
やる気満々、彼女のその言葉を信じ
彼女の影武者として働いていこうと思った1日でもある。
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